雑貨店のアンケート-お客様に問う! 自店へのご意見や感想- 其の六十五/期間限定全文公開

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アンケート「うちの店どうでしょう?」

多くの店舗で実施したいと思っていても、なかなかできないのが、お客様への取材やアンケート。

理由がわからないまま低迷する売上。なかなか増えない来店客数。せっかく売場をリニューアルしたのに、丁寧な接客に力を入れだしたのに、なかなか数値に効果があらわれない……etc。

そんな時、お客様の声は確かな道標となる。

今号では、中小の雑貨店での、お客様からのご意見やご感想の取材方法に関して考えてみたい。

あなたの店舗は、お客様からどう思われているか?  店側が提案している(つもりの)自店のコンセプト(品揃え、サービス)が、お客様に充分に理解、そして支持されているだろうか。

もちろん、普段の生活のなかの人間関係でも誤解はつきもの 。自分のことを100%理解してくれるなんて、例え家族、夫婦であっても無理なもの。相手に理解してもらおう、理解しようとするところから、良好な関係が生まれるものだろう。

同じように、ショップのコンセプトやテーマも、お客様に理解してもらおう、支持してもらおうとする姿勢や心構えが大切だ。

「独自のセンスで選んだ」「とってもカワイイ!」「たくさん集めた」「親切で丁寧な接客」と「おしゃれなラッピング」のお店のつもりで運営(提案)していても、お客様はそう思って(感じて)くれていないかもしれない。

「独自のセンスで選んだ」ものが独自すぎて理解されない。「とってもカワイイ!」ものを、全然可愛いと思ってくれない。「親切で丁寧な接客」がお客様にとっては、しつこく感じられたり、なれなれしく思われたり……。驚くほど、提案しているつもりのことが、伝わっていないことも。

お客様があなたのお店に感じているイメージと、提案しているショップコンセプトとの差は思っている以上に大きいかもしれない。 その差の大きさと理由を見極め、店の運営に活かそうとすることが支持される(続けられる/売れる/儲かる)ショップになるための大切なステップだろう。

雑貨店のお客様にアンケート、インタビュー

身内であるスタッフや関係者に忌憚のない意見を聞く、もちろん、自身で自店を冷静に点検してみる。品揃え、立地、内外装、接客、販売システム、接客スタイル…etc。あらためて、自店の「姿」を見つめ直してみたい。

お客様に聞く

お店にとってお客様は貴重なアドバイザー。コンサルタントやマーケティング専門家からさえも「消費者(お客様)の立場で云々」という言葉をよく聞く。そこで本家本元の“お客様”に対して、インタビュー取材してみることはどうだろうか。

インタビューなどと言うと、ちょっと堅くなってしまうかもしれないが、よろしければ、ちょっとお時間をもらってお話を聞かせてもらうといった方法のことである。

大型店を経営、多数の店舗展開を行っている大企業は、お客様からのご意見や感想だけでなく、クレームまでも(だからこそ)「宝の山」と、認識し、真剣に経営に活かそうとしている。

小規模で、趣味(好み、楽しみ)性が強く、気軽なイメージの雑貨のお店だからできることのひとつとして、「雑談インタビュー」を試してみることを提案したい。

多少の雑談もするような常連の方、スタッフにいろいろと話しかけてくださる気さくなお客様、はじめて来店されて、とても興味深く店内を見てくださっている方などに、タイミングをはかって、「ちょっとお話を聞かせてください」という感じで、話を切り出せば、快く答えてくれることも多いはず。

タイミングと聞きかた

タイミングとしては、商品に関してのお問い合わせがあった時やお会計のあと。「(いつも)お買い上げありがとうございます」「ご近所にお住まいですか?」「この商品、とても人気があるんですよ」など、話しかけやすいフレーズから、「これからお仕事ですか?」「うちの店のこんな部分はどう思われますか?」「どんなところを気に入ってくださって、入店いただけたのですか?」など、ちょっとした質問だが、とても重要な聞きたい点をさりげなく聞いてしまおう。

正式かつ、あらたまった感じだとお客様も身構えてしまうので、雑談風にさらっと聞くことが肝心。

できればたくさんのことを聞きたいが、お客様は買い物を目的に来店されている。迷惑にならない程度にほどほどに。

何を聞くべき?  雑貨店のお客様

それでは、何を聞くべきなのか? 実はあなたのお店に対すること、お客様ご自身のことなどどんなことでも参考になる。

聞きたいこと、聞くべきことは、アンケート(掲載画像)の設問とも共通するので、それを参考に考えてみたい。 口頭での取材以上に、あらたまった感じとなるが、アンケート用紙を作成して、お客様に記入していただくという方法も考えたい。

ある程度、期間を限定して、スタッフ全員で集中して取り組む。作成にあたって気をつけたいことは、アンケートは、質問と回答というセットで成り立つということ。つまり質問と回答は、会話であり、アンケートとは一つのコミュニケーションと心得たい。

だから、接客のトーク同様に、文章の表現にも気をつけるべきだし、お客様の貴重なお時間をいただいているという感謝の気持ちも忘れてはいけない。

アンケート作成のポイント

作成のポイントは聞きやすさ、書きやすさ、まとめやすさ

  1. できるだけ簡単に記入できるフォーマット(書式)を用意。
  2. アンケートの目的や取材した(記入いただいた)個人情報の取扱方針の明示。
  3. できるだけ選択スタイルの設問を多くする。
  4. 自由記述欄は、あまり多く設けすぎない。
  5. 取材、記入後に集計しやすいレイアウトに。

雑貨店お客様アンケート例

アンケート取材の際に気をつけること

お客様の貴重な時間をいただくという謙虚さがキモ

  1. よろしければお願いしたいという姿勢。
  2. 普段の接客同様、言葉使いや表情にも気を配る。
  3. お客様に直接記入いただかなくとも、スタッフが聞いて記入してもよい。例えば「年齢」を記入してくれない場合は、スタッフが外見で判断して“後ほど”記入する。
  4. アンケートに記入してもらう、答えてもらうことに、あきらかに時間(3分間以上)や手間がかかる場合は、粗品(プレゼント)や自店の商品の購入の割引券など、感謝の気持ちを表すものを差し上げたい。

取材はあくまであなたのお店の勝手な都合で行っているのであり、そのお客様にとって直接のメリットは全くない。感謝の気持ちでのぞみたい。

アンケートではなく、インタビューとして、取り組みたい場合は、同じ質問事項を、簡単に取材できるようアレンジして行う。

富本雅人 月刊パーソナルギフト2009年9月号掲載

拙著「売れる雑貨屋さん」(ソフトバンククリエイティブ刊行)執筆の文章を元に加筆修正。

関連内容は売れる雑貨屋さんはじめる雑貨屋さん雑貨力に多数掲載

雑貨力とはどんな本?
雑貨屋さん、雑貨ビジネス、雑貨業界の夢や希望が詰まった本。日本で唯一の雑貨コンサルが執筆。雑貨屋さんの開業と運営、仕入、販促、万引防止、危機管理、雑貨商品づくりや業界研究。正しく面白く知る、雑貨ギフト業界で食べていく、生きていくポイント。

 

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